2009年2月3日火曜日

鈴木清順

早稲田松竹にて、「ツィゴイネルワイゼン」、「陽炎座」を観る。

久々の二本連続鑑賞は次第に意識が朦朧としてくる。けれど、その朦朧とした意識での鑑賞が作品にあっていたように思う。

松田優作が、あの世とこの世の境界にいる時、正に僕自身の意識もこの世から抜け出しそうだったのだ。陽炎座が崩壊していくシーンはまるで、唐十郎の赤テントにおけるラストシーンのように、この世とあの世をの境界を僕らに見せてくれる。僕はその鮮烈な映像でこの世に帰ってきて、松田優作演じる松崎の方はこの世ならぬ世界へと漂っていく。
ああ、しかし松田優作という存在感は何なんだ。生前の姿を朧にしか記憶していない僕にも、彼に惹き付けられた人々の気持ちが分かる。


弟が読んでいた「ドグラ・マグラ」を借りて再び読み始める。
まだまだ序盤で物語は見えてこない。
狂気に辿りつくことを期待しながら、ちょっとずつ読みすすめている。

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