2008年12月11日木曜日

プレヘレニック様式って習ったっけ?

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プレヘレニック様式というものがあるらしい。建築の様式の話。

なんでも、プレ(以前)、ヘレニズム(ギリシア風)という意味で、つまりはギリシア様式以前の様式をプレヘレニック様式と呼んだらしい。「呼んだ」と過去形なのは、この名称が現在は正しくはないという学説があるから。

最近になり、女子美術大学教授勝又俊雄(かつまたとしお)先生により、この様式名が必ずしも正しくないことが指摘されました。先生の研究によりますと、ギリシア以前のエーゲ文明は、かつては神話世界の話で実在しなかったと考えられていました。ところが、シュリーマン(1822~90)がトロヤ、ミケーネなどを発掘したことにより、初めて実在が明らかになりました。エーゲ文明の研究は、その後大きく進展し、ギリシア文明以前にも新石器時代にまでさかのぼれる数千年に及ぶ様々な文明の歴史があり、各文明の栄えた地域や時代区分も詳細に分かってきました。そのため、現在では「プレヘレニック」の名称ではあまりにも漠然としすぎているのです。

[via プレヘレニック様式]


 このプレヘレニック様式というのは、日本人が名づけた名称で、その様式の建物というのは日本にしか無いということだ。

 それが大倉山にある「大倉山記念館」。設計者は古典建築の第一人者の長野宇平治(ながのうへいじ、1867~1937)。彼が「プレヘレニック」の命名者。「大倉山記念館」は元来は「大倉精神文化研究所」の本館として建てられた、思想哲学の研究施設。製紙業を営み、東洋大学の学長も務めたことのある大倉邦彦が私財を投げ打って建設、維持管理してきた建築物。

 長野宇平治はヨーロッパを旅行してまわった時にクレタやミケーネの遺跡発掘から明らかになったプレヘレニック様式を観て、大倉精神文化研究所の設計で直接再現したという。遺跡から様式を引用して現代に蘇らせたというのが、長野の凄かったところだ。なにせ、当時は西洋の模倣をするしかなかった時代に、模倣の精神を突き詰めた結果、図らずも西洋を越えた唯一の様式を模倣してしまったのだから。

 ・・・ということを、見学してから面白そうで調べ始めたら案の定面白すぎて止まらなくなってきたー!明日もあるし、他にもやることは沢山ある筈で、これはまずい。そろそろ止めとかなければ・・・。

 ちょっと建物見学をするつもりが、街の成り立ちや建築史に大きく関わりがあることが分かってきて凄く面白い建物だというのは確か。

 しかし、長野宇平治ってwikiとかで調べると、日本建築史でも、もの凄く重要な人に思えるのだけれど、今ひとつ分からないことが多い。評伝とか研究書とか出ていないんだろうか?

 ここまでつらつら書いてみたけど、結論としては、大倉山記念館に行く途中にあるTOTSZEN BAKER'S KITCHENというパン屋のあんパンがめちゃくちゃ美味っ☆なのだ。

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[via 横浜市大倉山記念館見学用資料(未定稿) ]

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