2008年8月12日火曜日

吉村順三記念ギャラリーとソルフェージスクールと…目白探訪

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昨年から、行きたいと思いながらなかなか行く機会に恵まれなかった場所のひとつ。吉村順三記念ギャラリー。
近頃よく読んでいる倉方俊輔さんのブログを見て、「行かねばなるまい」と思ったのだ。
建築家の吉村順三の事務所が改装され、2006年の末から吉村順三にまつわる「小さな建築展」が行われている。
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今回の展示「ソルフェージスクール」では、まずギャラリーにて青焼き図面を見た後に、歩いて5分ほどの場所で実物を観賞することができる。
ソルフェージスクールは小さくてローコストでありながら、3階に置かれた広々としたホールが印象的だった。
外見は、ぱっとみると小さくて古い何の変哲もない建物のよう。屋根は古ぼけた波型スレート。淡いピンクが少し可愛い。
1,2階はコンパクトに部屋が配置されていて、地味ながら造り付けの椅子や取っ手が格好いい。
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階段を折り返して見上げると、傾斜屋根に包まれるかのような感覚。
天井は吉村順三ではお馴染みらしいラワン合板。
事前に写真を見ていた限りでは傾斜屋根の隙間から差し込む光は天窓からの日射光だと思っていたけれど、実物を見ると人工の蛍光灯だった。まるで自然光のように感じる人工照明だ。
屋根の下で高さを抑えた窓も、集中を切らさずに気持ちよく外の雰囲気を伝えてくれる装置になっている。
手すりやドアの金具、子供たちが次のレッスンを待つのであろう廊下の長いすなど、とても可愛らしく格好いいデザインだった。手すりについた半球のでっぱりは真鍮製らしい。
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職員の方に挨拶をして、外に出て建物を見ると入る前とは印象が変わっていた。コンパクトだけれど良い建物だった。
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住宅街は歩いていると、不思議な建築や空間に出くわして面白い。
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帰りしな、ギャラリーのそばの小さな古本屋でカポーティの短編集を80円で購入。
カポーティのデビュー作「ミリアム」を山手線で読んだ。これを19歳で書いたというのは、凄い。
そのうち、「冷血」を読まねばなるまい。

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